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2023-09

運命の子 - 2012.10.07 Sun

血を流して横たわるファン・ビンビンが美しい…
雑誌に載っていた写真に惹かれて観ました。

思っていたのとは随分違う内容だったけれど、感動しました。

公式HPによると、ベースになっているのは『史記』(司馬遷)に記されている『趙氏孤児』で
雑劇、京劇、新劇等、様々な形式で繰り返し舞台化されている
有名な物語なのだそうです。
映画化はこれが初めてで、大きくアレンジしてあるらしいです。


★★★ちょっとネタバレあり★★★


春秋時代の晋の国
武官・屠岸賈は君主を暗殺し、その罪を趙朔に被せ、趙氏を全滅させてしまいます。
趙朔の妻であり君主の姉である荘姫は混乱の中で出産し、子供を逃がすため自害します。
その子供を託された彼女の主治医・程嬰は身代わりに妻子を殺され
自分の息子に付けるはずだった名前“程勃”をその子供に付け
復讐の道具とするべく育てることを決意するのでした―


ポスター等ではファン・ビンビン主演の様な印象ですが、実は早くに退場してしまいます。
程嬰の妻@ハイ・チンも亡くなってしまうので、後は男ばっかり(笑)
程嬰@グォ・ヨウと屠岸賈@ワン・シュエチーの渋い演技対決といった趣です。

それに絡む韓厥@ホワン・シャオミンが美形なのと
程勃役の子役及び15歳になってからを演じるチャオ・ウェンハオが可愛いので
そこがちょっと目の保養という感じ>ぉ


趙氏孤児を見つけるために屠岸賈により国中の赤ん坊が連れ去られるところは
子供のイエス・キリストを狙いヘロデ王が国中の幼子を殺させた話を思い出させます。

程嬰の実子を趙氏孤児と思い込んだ屠岸賈が、その子を床に叩きつけて殺すところは
「うわっ」と叫んでしまいましたが(^^;)
それと引き換えに他の子100人は無事に親の元に戻してくれたので
ヘロデ王よりは良い人かな…

実際、程勃のことは心から可愛がってくれたので
全くの悪人として描かれているわけではないですね。

ていうか、そういう人間味も併せ持った屠岸賈だからこそ
程嬰の復讐が生きるわけですけど。
我が子の様に愛している程勃の正体をある日突然知らされ
その手により殺される…
こんな凄い復讐はないと思います。


ただ、こういう場合
当の程勃に予め真相を明かすべきですよね?

最初は、まだ幼いうちは酷だし態度を装うのも難しいだろうから
黙っているのだろうと推測して観ていたのですが
15歳になってもまだ…というところに疑問を抱きました。

なので程勃はどんどん屠岸賈に懐いていき
程嬰には逆らう様になっていくので
観ていてちょっとハラハラしました(笑)

勿論、殺伐とした復讐物語で終わるのが良いのか悪いのか
判断は難しいけど…

「父上」と呼んで慕っていた人を
事情が事情とはいえイキナリ憎むことなどできず
程嬰を裏切ることだって考えられるし
見事に復讐を果たしたとしても心に深い傷を負うかもしれない…

とにかく巻き込まれて不幸な経験をした程嬰が気の毒で
これ以上辛い目には遭ってほしくない…
という気持ちで、こちらも葛藤しながら観ていました。


屠岸賈が屋根から程勃を飛び降りさせるところと
戦で程勃が敵に囲まれた時に取った行動には
色々と考えさせるものがありました。

前者では程嬰との違いが出ていて
ここに程勃が後にしなければならない選択の根拠が示されているのかな
とも思えたし

後者は、成長した程勃を容姿から趙朔の子だと見破りながらも
それに勝る愛情を屠岸賈が持っていることを示していて
もしかして、どんでん返しに繋がってしまうのかな
とも思えました。


それだけハラハラさせた割には結末はアッサリしていた気もするけど(^^;)
でも、主人公は程勃ではなく程嬰なわけですから
あそこで程嬰の心境の変化が示されるのが良かったです。


結局のところ
程嬰も屠岸賈も血の繋がりのない息子を愛したということなのですね。
それによって2人は「敵」ではなく表裏一体とも言えるし
違う意味の「敵」になったとも言えるのかも?>穿ち過ぎ?

その波乱の生い立ち故に程勃=運命の子と見ていたのだけれど
程嬰と屠岸賈にとって「運命の子」だったのね…と
遅まきながら気づいたのでした>鈍過ぎ?


ラストは
屋敷の中で…でも
フラフラと歩き続ける、あるいは前を向いて倒れる程嬰の姿…でも
それぞれ感動的だったと思うけれど

そうではなく、
程嬰は振り向きました。
そこで、ドッと涙が溢れました。



まだ15歳の程勃は可哀想だったけど
でも、2人の父(実父を含めれば3人)の呪縛から解かれ
母親が望んでいた「普通の人生」を歩んでいける様になったのですよね、きっと。


それにしても
韓厥の存在は尻すぼみだったな(^^;)
まあ、父子の物語なのだから仕方ないですけど。



『趙氏孤児/Sacrifice』 2011年/中国
監督/脚本:チェン・カイコー
原典:司馬遷『史記』



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