映画『ばるぼら』 - 2022.11.03 Thu
手塚治虫の「問題作」を息子さんの手塚眞さんが映画化。
しかも撮影はウォン・カーワイ監督作品でお馴染みのクリストファー・ドイル。
…これは結構、期待できるんじゃないかと思えた。
二階堂ふみは、ヘアスタイルが原作に似せようとするあまり
ちょっと不自然な感じになっちゃってるものの
全体的には上手くイメージに合わせていると感じたし
稲垣吾郎は、イメージ通りではないものの
彼が元々持ち合わせている、冷めてるというか浮世離れした雰囲気が
世界観にハマっているんじゃないか、という気がしたし
不安よりも期待の方がやや大きい気持ちで臨んだのだが―
確かに雰囲気は悪くないかな、とも思ったのだが―
う~ん
あんまりおもしろくなかっ…(略)
☆★☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★☆★
まず冒頭、これは原作通りなのだが
原作では、「ああ、これから”世界”が始まる」という
ワクワク感とか、新鮮さとか、少しばかりの恐怖感とか…
まあ、ゾクゾクする気持ちだった。
ポジティブな意味で。
映画は…何ちゅーか…
狭い世界を古臭い感覚で描いている
…という印象を受けた>スミマセンスミマセン
昭和か!?
とツッコミを入れた後で
いや、原作はまさしく昭和の作品なのだから
映画も昭和を舞台にして、ワザとレトロな雰囲気を出しているのだろう―
ちょっと俗っぽいのも
手塚作品は結構そうした人間の綺麗とは言えない面を描くのが上手いから
ワザとそうした雰囲気を醸し出しているのだろう―
と、意識しながら観ていった。
でも、後の方で、ノートPCで原稿を書くシーン等があったので
舞台は現代なのかな?
と、ちょっと混乱(笑)
所々でジャズが流れるのだが
昭和の話だったら、ここはカッコイイと感じるべきところ。
意識高い系というか。
現代だったら、カッコ付け過ぎで、却ってダサい気がする>スマソ
ただ、俗っぽいといっても
やたらとあるヌードやラブシーンには下品さも、猥雑さはない。
そこが、この映画の良いところだと思う。
とはいえ、あのマネキンのシーンはイマイチだったな。
本来なら、それこそ「官能的」なシーンになったかもしれないのに
変に動かすから、却って陳腐な印象になってしまった。
残念。
そんな風に、原作のエピソードを散りばめてはいるものの
纏まりがなく、登場人物達の心情が浮き上がってこなかった様な…
個人的にムネーモシュネー(渡辺えり)が良い感じだった。
あんなちょこっとしか登場しないなんて勿体ない。
まあ、ここらへんから映画は原作から大きく乖離していく。
当時の流行だったのか、原作はオカルト・モードになって行く。
映画は現実に留まる。
原作の幻想的な部分、現実を超越した内容を
映画は幻想的に描くふりをして現実のラインは崩さない。
良い風に解釈するなら
映画は、表面的にはファンタジーの衣を纏わせて観客を惹きつけ
実際には、あくまでも現実の世界で
ひとりの作家の宿命というか業を描きたかったのかも?
ばるぼらは真のミューズなどではなく、唯の人間で
前半に描かれた様に異常な性欲を持つ美倉が
肉体的欲望だけでなく作家としても
ばるぼらに対し異常な執着心を抱き、自らの身も心も極限に追い込んだ挙句
ただ一心不乱に作品を書き続けるという狂気に近い作家の業を。
だから
「お腹空いた」
という、ばるぼらの最後の言葉は
彼女が唯の人間に過ぎないということを強調しているのかもね。
でも、それが凄く鮮やかに浮かび上がってくるかというと
それほどでもない気がする>スマソ
そのため、ムネーモシュネーも、何よりも結婚式シーンも
ギャグみたいになっちゃっているし(笑)
残念。
2020年/日本、ドイツ、イギリス
原作:手塚治虫
監督/編集:手塚眞
脚本:黒沢久子
製作:古賀俊輔、姫田伸也、アダム・トレル
美術統括:磯見俊裕
美術:露木恵美子
音楽:橋本一子
撮影:クリストファー・ドイル、蔡高比
出演:稲垣吾郎(美倉洋介)二階堂ふみ(ばるぼら)
渡辺えり(ムネーモシュネー)
受賞歴:
ファンタ・フェスティバル最優秀作品賞(イタリア)
LUSCAファンタスティック映画祭監督賞(プエルトリコ)
第75回毎日映画コンクール美術賞(磯見俊裕、露木恵美子)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

原作
デンボク
公式読本
しかも撮影はウォン・カーワイ監督作品でお馴染みのクリストファー・ドイル。
…これは結構、期待できるんじゃないかと思えた。
二階堂ふみは、ヘアスタイルが原作に似せようとするあまり
ちょっと不自然な感じになっちゃってるものの
全体的には上手くイメージに合わせていると感じたし
稲垣吾郎は、イメージ通りではないものの
彼が元々持ち合わせている、冷めてるというか浮世離れした雰囲気が
世界観にハマっているんじゃないか、という気がしたし
不安よりも期待の方がやや大きい気持ちで臨んだのだが―
確かに雰囲気は悪くないかな、とも思ったのだが―
う~ん
あんまりおもしろくなかっ…(略)
☆★☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★☆★
まず冒頭、これは原作通りなのだが
原作では、「ああ、これから”世界”が始まる」という
ワクワク感とか、新鮮さとか、少しばかりの恐怖感とか…
まあ、ゾクゾクする気持ちだった。
ポジティブな意味で。
映画は…何ちゅーか…
狭い世界を古臭い感覚で描いている
…という印象を受けた>スミマセンスミマセン
昭和か!?
とツッコミを入れた後で
いや、原作はまさしく昭和の作品なのだから
映画も昭和を舞台にして、ワザとレトロな雰囲気を出しているのだろう―
ちょっと俗っぽいのも
手塚作品は結構そうした人間の綺麗とは言えない面を描くのが上手いから
ワザとそうした雰囲気を醸し出しているのだろう―
と、意識しながら観ていった。
でも、後の方で、ノートPCで原稿を書くシーン等があったので
舞台は現代なのかな?
と、ちょっと混乱(笑)
所々でジャズが流れるのだが
昭和の話だったら、ここはカッコイイと感じるべきところ。
意識高い系というか。
現代だったら、カッコ付け過ぎで、却ってダサい気がする>スマソ
ただ、俗っぽいといっても
やたらとあるヌードやラブシーンには下品さも、猥雑さはない。
そこが、この映画の良いところだと思う。
とはいえ、あのマネキンのシーンはイマイチだったな。
本来なら、それこそ「官能的」なシーンになったかもしれないのに
変に動かすから、却って陳腐な印象になってしまった。
残念。
そんな風に、原作のエピソードを散りばめてはいるものの
纏まりがなく、登場人物達の心情が浮き上がってこなかった様な…
個人的にムネーモシュネー(渡辺えり)が良い感じだった。
あんなちょこっとしか登場しないなんて勿体ない。
まあ、ここらへんから映画は原作から大きく乖離していく。
当時の流行だったのか、原作はオカルト・モードになって行く。
映画は現実に留まる。
原作の幻想的な部分、現実を超越した内容を
映画は幻想的に描くふりをして現実のラインは崩さない。
良い風に解釈するなら
映画は、表面的にはファンタジーの衣を纏わせて観客を惹きつけ
実際には、あくまでも現実の世界で
ひとりの作家の宿命というか業を描きたかったのかも?
ばるぼらは真のミューズなどではなく、唯の人間で
前半に描かれた様に異常な性欲を持つ美倉が
肉体的欲望だけでなく作家としても
ばるぼらに対し異常な執着心を抱き、自らの身も心も極限に追い込んだ挙句
ただ一心不乱に作品を書き続けるという狂気に近い作家の業を。
だから
「お腹空いた」
という、ばるぼらの最後の言葉は
彼女が唯の人間に過ぎないということを強調しているのかもね。
でも、それが凄く鮮やかに浮かび上がってくるかというと
それほどでもない気がする>スマソ
そのため、ムネーモシュネーも、何よりも結婚式シーンも
ギャグみたいになっちゃっているし(笑)
残念。
2020年/日本、ドイツ、イギリス
原作:手塚治虫
監督/編集:手塚眞
脚本:黒沢久子
製作:古賀俊輔、姫田伸也、アダム・トレル
美術統括:磯見俊裕
美術:露木恵美子
音楽:橋本一子
撮影:クリストファー・ドイル、蔡高比
出演:稲垣吾郎(美倉洋介)二階堂ふみ(ばるぼら)
渡辺えり(ムネーモシュネー)
受賞歴:
ファンタ・フェスティバル最優秀作品賞(イタリア)
LUSCAファンタスティック映画祭監督賞(プエルトリコ)
第75回毎日映画コンクール美術賞(磯見俊裕、露木恵美子)
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