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2017-08

メビウス - 2016.03.06 Sun

「全ての人間は結局、欲望により生まれたので
結局、家族は全て一つで
全ての人物が一つの構造中で動く<メビウスの輪>の様に
循環構造を有している」
(キム・ギドク監督談)


☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★☆


表も裏もなく、切り離すこともできなメビウスの輪。

ウィンドウの向こうに飾られた仏像にひれ伏す謎の男性。
彼が、この家族の裏と表を繋いでいる?


主役は台詞なし、というのはギドク作品には付き物だけど
今作は登場人物全員が台詞なし

でも、サイレント映画というわけではなく
物音や呻き声(言葉にならない声)は聞こえる。

そういうのって普通は結構、頭を使う。
登場人物の表情や動きから意味を掴もうと普通以上に集中しなければならない
…ものだと思ってたけど

この作品は物凄く雄弁だ。

あ、そういえば台詞がないんだっけ
と、終わってから思ったくらい(笑)
全く普通に鑑賞。


夫の不倫に疲れ果て心を病んだ妻が
夫の性器を切り落とそうとするも失敗し
何と、息子の性器を切断してしまうという
痛いお話。

ギドク作品はいつも、どこか痛いんだけど
これはもう本当に痛い。
女の私でもそう感じるのだから
男性にはとても正視できないかも(^^;)


で、面白いのはその後。

傷が癒える過程とか
母親へのトラウマとか
原因を作った父親との確執とか
色々と現実的な話が続くかと思ったら

父親が息子のために必死で探したのは
性器なしに性的快感を得られる方法だった。

でもって、それを息子も受け入れる。

その方法は
石の様な堅いもので皮膚を擦りむけるまで擦ることと
ナイフで身体を刺した上にグリグリと動かすこと。

痛い…これまた痛い(^^;)

興味深いのは
特に後者は女性的な感覚じゃないのかな…ってこと。


途中、性器がないことを知って息子をイジメる同級生達を
通りがかったチンピラ達が助けてくれるシーンがある。
でもその後、そのチンピラ達は父親の愛人だった女性をレイプする。

間接的に息子の復讐をしてくれたという意味かな、と一瞬思ったけど
もしかしたら、彼女にとっての贖罪という意味を持たせているのかなとも思うけど
主な理由は、単純に彼女が色っぽくて魅力的な女性だったから。

このエピからして
性欲→女性を征服すること→それを果たす性器
ということで
男性にとって、まさに性器こそがアイデンティティ!
なんだなってことがよく分かって
哀れでもあり滑稽でもあり…って感じたわけなんだけど

その性器を失った時
性欲の向かう方向は同じなんだけど
快感を得る方法は寧ろ女性のそれに近くなる…ってのが
何だか面白いなと思った。


ついでに言うと
母親と愛人は同じ女優(イ・ウヌ)が演じているのだが
ボンクラひじゅには気付かなかった。
髪型や化粧や服装で女は化けるっちゅーことですな。

ところが
双方が別々にだけど、胸を露わにするシーンがあって
乳房の形で同じ人だと分かった。

男も女も
性的な部分にこそアイディンティティがあるっちゅーことでせうか?
何だか虚しくなるなあ…(^^;)



その後、父親が手術で切除した性器を息子が移植し
形だけは“男性”に戻るものの
今度は性的興奮を得られない…という事態に陥る。

そんな時、フラリと帰って来た母親に
その性器は反応する。

元は父親の性器だってところが面白いよね。
愛人には反応せず、母親にだけ…ってとこが。

でも、父親自身にはもはや性器はなく
息子に向かう母親に、今度は父親が嫉妬の塊になる。

がいつの間にかになっている。

ああ、もう、本当に
グチャグチャやねん…痛いねん。


でも、ラストの息子の笑顔は
この輪が断ち切れたってことを意味するんじゃないのかなあ…

まさにギドク風贖罪って感じで。

それともまだまだ
輪廻の如く続いていくのだろうか?




『Moebius』 2013年/韓国
監督・脚本・撮影:キム・ギドク
出演:
チョ・ジェヒョン(父)、ソ・ヨンジュ(息子)
イ・ウヌ(母/愛人)、キム・ジェホン(不良リーダー)





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