〇んこ>『わろてんか』第144話 - 2018.03.23 Fri
「藤一郎です。
本当はひらがなばかりで書いたんですけど
それでは皆さんが読み難いだろうと
お父ちゃんが漢字を入れて清書してくれました」
…ひじゅにですが何か?
「それこそ運がつくわ」byてん
「小さい頃から聞かされ続けてきた、お祖母ちゃんの所へ
やっとこ来ることができました。
僕のお祖母ちゃんは、ほっぺツルツルで可愛いです。
「わろて生きるんや」と言う割には
笑顔が平たんで、あまり上手くないです。
でも、お母ちゃんよりも若く見えます。
まあ、お母ちゃんは、ちょいと辛気臭いんですけど。
お父ちゃんが言うには、お母ちゃんは昔から
自分の思い通りにいかないことがあれば
ジトジト泣いて上目遣いでチラチラとこちらを見たり
切れないハサミで髪を切る真似をして見せたり
家を飛び出して、迎えに行くまで道端に立ってたりして
とても厄介なんだそうです。
でも、お母ちゃんに言わせると
お父ちゃんは甲斐性無しで
おかげで生活はガタガタなんだそうです。
でも、2人は仲良しなんですよ。
僕に対する言葉はいつも一致しています。
藤一郎は大事な跡取り息子なんだぞ。
お母ちゃんの実家もお父ちゃんの実家も金持ちだから
ゆくゆくは左うちわだぞ!って。
左うちわって何ですか?
僕は右利きなので、うちわも右手で使うんですけど。
僕は跡取り息子なんかより、兵隊さんになりたいです。
カッコイイですよね。
お父ちゃんは一足先に兵隊さんになるそうです。
僕も早く大人になって後に続きたいです。
でも、お父ちゃんもお母ちゃんも
これは、お祖母ちゃんの許しを得る絶好のチャンスだって言うんです。
お母ちゃんの実家は厳格だけど、お父ちゃんの実家はお笑い系だから
人情に訴えればチョロいって言うんです。
ねえ、「チャンス」って敵性後じゃないですか?
ということで、お祖母ちゃん家にやって来ました。
お母ちゃんに言われて、お祖母ちゃんを入れた家族の絵も描きました。
「通天閣を買うた日本一のお祖母ちゃん」って言い方も
お母ちゃんの提案です。
お祖母ちゃんの家には、風太とかいう怒鳴ってばかりいるオジちゃんと
お祖母ちゃんにヘイコラしてばかりいるトキとかいうオバちゃんと
2人の娘の飛鳥ちゃんがいました。
飛鳥ちゃんは僕よりお姉さんで優しくて、僕はすぐに好きになりました。
でも、「お祖母ちゃんのこと好き?」なんてイキナリ聞いてきて
その理由まで質問するんです。
僕は思わず「お金持ちだから」と答えそうになったんですけど
やっぱりマズイと思って「偉いから」と言い換えました。
もしかして…何か疑ってるんでしょうか?
それから、お祖母ちゃんの提案で言葉ごっこをしました。
「ん」が付く言葉ということで、僕は思わず
「遺産」と言いそうになったんですけど
急いで「うんこ」と誤魔化しました。
僕って機転が利くでしょ?
でも、やっぱ…何か疑惑を抱かれているんでしょうか?
お祖母ちゃんとお母ちゃんは、ちょっとギクシャクしてました。
お母ちゃんは、お得意の卑屈な態度で下からチラチラ攻撃をするし
お祖母ちゃんは能面の様な顔で、ご飯を作る際にも
「卵、割ってもらえるか?」だなんて
僕にもできる様なことしか頼まないで、イタタマレナイ攻撃だし
僕はずっとドキドキしてました。
まあ、取り合えず
僕とお父ちゃんは受け入れてもらえたみたいです。
そのために、僕の名前を「藤一郎」にした甲斐があったってもんですよね。
お祖母ちゃんがベタ惚れしていたという、お祖父ちゃんの名前から取ったので。
「藤吉郎」から「藤一郎」
北村家を“統一”させるという意味を込めたのだそうです。
僕としては
「KICHI」から「ICHI」で「K」が抜けたので
ちょっと気が抜けちゃった様な気がするんですけど…
そして遂に、お父ちゃんが出征する日が来ました。
僕でさえ、どうかと思っていた長髪をやっとこ切ってましたけど
何かフワフワした髪型でしたよね。
これで明日からは、お祖母ちゃんの家での暮らしが始まります。
不安なことは沢山あるけど
笑ってれば良いんだったら、何とかなると思います。
ひとつだけ残念だったのは
家族写真を撮ってくれたのが海原はるか師匠じゃなかったことです」
北村藤一郎
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

光るおもちゃ

うん!コーラ味

カレー

本当はひらがなばかりで書いたんですけど
それでは皆さんが読み難いだろうと
お父ちゃんが漢字を入れて清書してくれました」
…ひじゅにですが何か?
「それこそ運がつくわ」byてん
「小さい頃から聞かされ続けてきた、お祖母ちゃんの所へ
やっとこ来ることができました。
僕のお祖母ちゃんは、ほっぺツルツルで可愛いです。
「わろて生きるんや」と言う割には
笑顔が平たんで、あまり上手くないです。
でも、お母ちゃんよりも若く見えます。
まあ、お母ちゃんは、ちょいと辛気臭いんですけど。
お父ちゃんが言うには、お母ちゃんは昔から
自分の思い通りにいかないことがあれば
ジトジト泣いて上目遣いでチラチラとこちらを見たり
切れないハサミで髪を切る真似をして見せたり
家を飛び出して、迎えに行くまで道端に立ってたりして
とても厄介なんだそうです。
でも、お母ちゃんに言わせると
お父ちゃんは甲斐性無しで
おかげで生活はガタガタなんだそうです。
でも、2人は仲良しなんですよ。
僕に対する言葉はいつも一致しています。
藤一郎は大事な跡取り息子なんだぞ。
お母ちゃんの実家もお父ちゃんの実家も金持ちだから
ゆくゆくは左うちわだぞ!って。
左うちわって何ですか?
僕は右利きなので、うちわも右手で使うんですけど。
僕は跡取り息子なんかより、兵隊さんになりたいです。
カッコイイですよね。
お父ちゃんは一足先に兵隊さんになるそうです。
僕も早く大人になって後に続きたいです。
でも、お父ちゃんもお母ちゃんも
これは、お祖母ちゃんの許しを得る絶好のチャンスだって言うんです。
お母ちゃんの実家は厳格だけど、お父ちゃんの実家はお笑い系だから
人情に訴えればチョロいって言うんです。
ねえ、「チャンス」って敵性後じゃないですか?
ということで、お祖母ちゃん家にやって来ました。
お母ちゃんに言われて、お祖母ちゃんを入れた家族の絵も描きました。
「通天閣を買うた日本一のお祖母ちゃん」って言い方も
お母ちゃんの提案です。
お祖母ちゃんの家には、風太とかいう怒鳴ってばかりいるオジちゃんと
お祖母ちゃんにヘイコラしてばかりいるトキとかいうオバちゃんと
2人の娘の飛鳥ちゃんがいました。
飛鳥ちゃんは僕よりお姉さんで優しくて、僕はすぐに好きになりました。
でも、「お祖母ちゃんのこと好き?」なんてイキナリ聞いてきて
その理由まで質問するんです。
僕は思わず「お金持ちだから」と答えそうになったんですけど
やっぱりマズイと思って「偉いから」と言い換えました。
もしかして…何か疑ってるんでしょうか?
それから、お祖母ちゃんの提案で言葉ごっこをしました。
「ん」が付く言葉ということで、僕は思わず
「遺産」と言いそうになったんですけど
急いで「うんこ」と誤魔化しました。
僕って機転が利くでしょ?
でも、やっぱ…何か疑惑を抱かれているんでしょうか?
お祖母ちゃんとお母ちゃんは、ちょっとギクシャクしてました。
お母ちゃんは、お得意の卑屈な態度で下からチラチラ攻撃をするし
お祖母ちゃんは能面の様な顔で、ご飯を作る際にも
「卵、割ってもらえるか?」だなんて
僕にもできる様なことしか頼まないで、イタタマレナイ攻撃だし
僕はずっとドキドキしてました。
まあ、取り合えず
僕とお父ちゃんは受け入れてもらえたみたいです。
そのために、僕の名前を「藤一郎」にした甲斐があったってもんですよね。
お祖母ちゃんがベタ惚れしていたという、お祖父ちゃんの名前から取ったので。
「藤吉郎」から「藤一郎」
北村家を“統一”させるという意味を込めたのだそうです。
僕としては
「KICHI」から「ICHI」で「K」が抜けたので
ちょっと気が抜けちゃった様な気がするんですけど…
そして遂に、お父ちゃんが出征する日が来ました。
僕でさえ、どうかと思っていた長髪をやっとこ切ってましたけど
何かフワフワした髪型でしたよね。
これで明日からは、お祖母ちゃんの家での暮らしが始まります。
不安なことは沢山あるけど
笑ってれば良いんだったら、何とかなると思います。
ひとつだけ残念だったのは
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