『ヒメアノ~ル』 - 2017.02.12 Sun
観てしばらく経つのだけれど、心のどこかに引っ掛かって取れないので
感想を書くことで消化できればと思います。
かなり壮絶な殺人シーンが複数あるので、決してお勧めはできません。
でも
ラストシーンに全て持ってかれるので、あまり気にならないとも言えます。
↑個人的意見
*「ヒメアノール」=ヒメトカゲ
体調10cm程で猛禽類の餌にもなる小型爬虫類
つまり
「ヒメアノール」=強者の餌となる弱者
☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★
原作は未読なのですが
聞くところによるとテーマが変えられているそうなので
別物として楽しむのが正解みたいです。
「お母さ~ん、麦茶2つ持ってきて」
高校の同級生だった森田と岡田という2人の青年が登場します。
森田を主人公とした連続殺人事件と
岡田を主人公としたラブコメとが交互に描かれます。
原作では
最後まで、この2つの世界は交わらないのだそうです。
森田の殺人の動機は
人を殺すことで性的快楽を得る…という持って生まれた特質
によるものだそうなので
そう生まれついてしまった者と、幸いにもそうではない者との
人生を対比的に描いているのでしょうか。
勿論、「強者」と、その餌となる「弱者」を示してもいるのでしょう。
映画の方は
2つの世界は完全に一つになります。
高校時代に酷いイジメに遭ったことが土台となっているので
被害者になってしまった者と、幸いにして免れられた者との
対比であると同時に
実は岡田もそのイジメに加担してしまったことが判明するため
ラストでは2人の対峙が必然となってくるのです。
「強者」と「弱者」は入れ替わります。
最初は岡田ワールドから始まります。
彼は20代半ばくらいのフリーターで、現在は清掃員のバイトをしていて
友達も恋人も趣味もこれといった夢や目標もなく、虚しい日々を送っていましたが
ひょんなことで知り合った女の子@ユカから告白され、付き合うことになります。
冴えない主人公を可愛い女の子が積極的にアタックしてくる、という
まさにラブコメ!という展開です(笑)
ネット用語で言うなら、喪男からリア充へと一気に昇格です。
そして、そこまで進んだところで、ようやくタイトルが出て
森田の視点へとイキナリ変化して、画面全体のトーンが一気に暗く変化します。
ここがまず素晴らしいです。
岡田ワールドも明るいところばかりではなくて
ユカを先に好きになった清掃会社の先輩@安藤が癖のある人物で
笑っちゃうんだけれども、ちょっと不気味なムードを醸し出しています。
森田もユカのストーカーだったことから岡田ワールドに関わることになるので
キャラ的には、この安藤と森田が対比されているのだと思います。
安藤は始めは岡田の名前もウロ覚えだったのに
ユカのことで「親友だよね」と岡田に頼り
ユカが岡田の方を選んだことを知り「絶交」を言い渡し
森田に重傷を負わされた後「俺達、親友だよね」と岡田を許すのです。
森田の方は高校時代のイジメっ子のリーダーを殺し
共犯者の和草を恐喝することで今迄暮らしてきた様子です。
反逆しようとっした和草&婚約者を殺したことがきっかけとなり
連続殺人が始まります。
恨みつらみではなく、寧ろ全く感情のないまま…ってのが怖いし
却ってリアルに感じられたりもします。
イジメっ子の遺体の前で自慰行為をするシーンがありますが
原作の様に殺人に性的興奮を得たからというよりも
女生徒達の前で自慰行為をする様に強いられた経験から来ているもので
性的快楽とは、あまり関係ないんじゃないかなあ…という気がします。
あのイジメっ子には、あの行為で締めくくるのがふさわしいっていうか。
まあ、殺人だけでなくレイプも伴いますし
和草達を殺すシーンでは岡田&ユカのラブシーンと重ねて描いていたので
少しは関係しているのかなあ。
ともかくも、森田の方もまた「友達」が深く関係しているところが
安藤と対になっていると思います。
反面、彼に対し罪悪感を抱いていた岡田のかつての行為のことは
森田は全く忘れていたかの様な態度を示すんですよね。
でも、忘れたわけないと思うんです。
寧ろ、一番ショックだったことかもしれません。
ショック過ぎて、その時の記憶を失ったってこともあるかも?
本音を隠すこと、さっき口にしたばかりの言葉を「言ってない」と誤魔化すのが
彼の生きる手段だったらしいことが最初の方で示されていましたので
それが伏線だったとも考えられます。
ラストは、岡田と一緒だったからこそ、ああなったのでしょう。
犬のことも
上記の台詞も
それが示す記憶障害も。
安藤の「俺達、親友だよね」に繋がっていると思います。
出演者は皆、素敵です。
ムロツヨシが上手い。
勿論、濱田岳も。
森田を演じきった森田剛は最高に素晴らしいです。
殺人シーンにしても、動きも良いし迫力もあるし
何もない空洞の様な暗い目をしているところが何とも言えません。
ラストは泣けます。
物凄く切ないです。
2016年/日本
監督/脚本:吉田恵輔
原作:古谷実
出演:森田剛(森田)
濱田岳(岡田)ムロツヨシ(安藤)佐津川愛実(ユカ)
駒木根隆介(和草)山田真歩(久美子)大竹まこと(清掃会社社長)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

ブルーレイ>豪華版

原作>全巻セット

DVD>豪華版

感想を書くことで消化できればと思います。
かなり壮絶な殺人シーンが複数あるので、決してお勧めはできません。
でも
ラストシーンに全て持ってかれるので、あまり気にならないとも言えます。
↑個人的意見
*「ヒメアノール」=ヒメトカゲ
体調10cm程で猛禽類の餌にもなる小型爬虫類
つまり
「ヒメアノール」=強者の餌となる弱者
☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★
原作は未読なのですが
聞くところによるとテーマが変えられているそうなので
別物として楽しむのが正解みたいです。
「お母さ~ん、麦茶2つ持ってきて」
高校の同級生だった森田と岡田という2人の青年が登場します。
森田を主人公とした連続殺人事件と
岡田を主人公としたラブコメとが交互に描かれます。
原作では
最後まで、この2つの世界は交わらないのだそうです。
森田の殺人の動機は
人を殺すことで性的快楽を得る…という持って生まれた特質
によるものだそうなので
そう生まれついてしまった者と、幸いにもそうではない者との
人生を対比的に描いているのでしょうか。
勿論、「強者」と、その餌となる「弱者」を示してもいるのでしょう。
映画の方は
2つの世界は完全に一つになります。
高校時代に酷いイジメに遭ったことが土台となっているので
被害者になってしまった者と、幸いにして免れられた者との
対比であると同時に
実は岡田もそのイジメに加担してしまったことが判明するため
ラストでは2人の対峙が必然となってくるのです。
「強者」と「弱者」は入れ替わります。
最初は岡田ワールドから始まります。
彼は20代半ばくらいのフリーターで、現在は清掃員のバイトをしていて
友達も恋人も趣味もこれといった夢や目標もなく、虚しい日々を送っていましたが
ひょんなことで知り合った女の子@ユカから告白され、付き合うことになります。
冴えない主人公を可愛い女の子が積極的にアタックしてくる、という
まさにラブコメ!という展開です(笑)
ネット用語で言うなら、喪男からリア充へと一気に昇格です。
そして、そこまで進んだところで、ようやくタイトルが出て
森田の視点へとイキナリ変化して、画面全体のトーンが一気に暗く変化します。
ここがまず素晴らしいです。
岡田ワールドも明るいところばかりではなくて
ユカを先に好きになった清掃会社の先輩@安藤が癖のある人物で
笑っちゃうんだけれども、ちょっと不気味なムードを醸し出しています。
森田もユカのストーカーだったことから岡田ワールドに関わることになるので
キャラ的には、この安藤と森田が対比されているのだと思います。
安藤は始めは岡田の名前もウロ覚えだったのに
ユカのことで「親友だよね」と岡田に頼り
ユカが岡田の方を選んだことを知り「絶交」を言い渡し
森田に重傷を負わされた後「俺達、親友だよね」と岡田を許すのです。
森田の方は高校時代のイジメっ子のリーダーを殺し
共犯者の和草を恐喝することで今迄暮らしてきた様子です。
反逆しようとっした和草&婚約者を殺したことがきっかけとなり
連続殺人が始まります。
恨みつらみではなく、寧ろ全く感情のないまま…ってのが怖いし
却ってリアルに感じられたりもします。
イジメっ子の遺体の前で自慰行為をするシーンがありますが
原作の様に殺人に性的興奮を得たからというよりも
女生徒達の前で自慰行為をする様に強いられた経験から来ているもので
性的快楽とは、あまり関係ないんじゃないかなあ…という気がします。
あのイジメっ子には、あの行為で締めくくるのがふさわしいっていうか。
まあ、殺人だけでなくレイプも伴いますし
和草達を殺すシーンでは岡田&ユカのラブシーンと重ねて描いていたので
少しは関係しているのかなあ。
ともかくも、森田の方もまた「友達」が深く関係しているところが
安藤と対になっていると思います。
反面、彼に対し罪悪感を抱いていた岡田のかつての行為のことは
森田は全く忘れていたかの様な態度を示すんですよね。
でも、忘れたわけないと思うんです。
寧ろ、一番ショックだったことかもしれません。
ショック過ぎて、その時の記憶を失ったってこともあるかも?
本音を隠すこと、さっき口にしたばかりの言葉を「言ってない」と誤魔化すのが
彼の生きる手段だったらしいことが最初の方で示されていましたので
それが伏線だったとも考えられます。
ラストは、岡田と一緒だったからこそ、ああなったのでしょう。
犬のことも
上記の台詞も
それが示す記憶障害も。
安藤の「俺達、親友だよね」に繋がっていると思います。
出演者は皆、素敵です。
ムロツヨシが上手い。
勿論、濱田岳も。
森田を演じきった森田剛は最高に素晴らしいです。
殺人シーンにしても、動きも良いし迫力もあるし
何もない空洞の様な暗い目をしているところが何とも言えません。
ラストは泣けます。
物凄く切ないです。
2016年/日本
監督/脚本:吉田恵輔
原作:古谷実
出演:森田剛(森田)
濱田岳(岡田)ムロツヨシ(安藤)佐津川愛実(ユカ)
駒木根隆介(和草)山田真歩(久美子)大竹まこと(清掃会社社長)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

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原作>全巻セット

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