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2015-10

シロ>『洞窟おじさん』第1話 - 2015.10.09 Fri

一週間遅れで観たんだけれども
なかなか凄いドラマだと思った。


「1日かけて、まだ少年のあたりです」by宅間刑事


13歳の時から43年、山奥の洞窟で暮らしていた
加村一馬さんの物語―

第1話は上記↑の台詞の通り、少年時代。

生まれたのは群馬県。

子沢山の貧しい家で
何故か一人だけ虐待されている一馬。

盗み食いをするからと親には言われていたけれど
理由は彼にだけ食事をマトモに与えていないから。

貧しいからといっても
他の子供達と明らかに差を付けられている。

兄弟姉妹も彼には冷淡だし
学校でもイジメられているし
そんな環境を「地獄」と感じてしまうのは当然。


かなりワンマンっぽい父親の下で
母親は自分を押し殺しているかの様に最初は見えたけど
そんな父親と一緒になって(というより、率先して)
折檻しているところから普通の親子ではない様に思えた。

その後、叔母さんと呼ばれる女性が彼のところにだけ現れ
隠れてお菓子を与えたり
家出したいという彼を泣いて止めたりしていたので
もしかしたら、彼は叔母さんの実子なのではないか…
なんて邪推も生まれたけど

これは既に56歳になっている一馬の回想なので
真相はきっと分からないままなのだろうし
それを探る話でもないし

そこは、何となく
こんな雰囲気だったなあ―
と受け取っておけば良いのだろうね。


そんな事情云々よりも
山でのサバイバル生活
愛犬シロとの物語が今日はメイン。

子役も素晴らしいし
シロ役のワンちゃんも凄い。

シロったら、表情演技まで出来ちゃうんだもんなあ…
人間でも表情の付け方が下手だったり乏しかったり
中にはほとんど無表情の役者もいるってのに>ぉ


最初はシロを置いて家出する一馬。

家で飼っていた犬なのだろうから>一馬が内緒で飼っていたのではなく
そこに留まれば餌は貰えるし普通に長生きするかもしれないけど
飼い主(家の主人ではなく最も可愛がってくれた人という意味で)が
いなくなった後って、例え動物でも寂しさや虚しさを感じるのではないか
…と考えてしまって、そこだけで辛かった。

なのに、追いかけてきちゃうシロ。

一夜明けてだったし
もしかして家族が犬を使って彼を探しにきたのでは
…と一瞬思ってしまった私は甘いですねそうですね(^^;)


制服姿の一馬&シロが山や川を歩く姿は
詩情も漂っていて美しかった。



最初は父を見て覚えた生活の術が役立つという
ある意味、皮肉な状態だったけど
その後、知恵を付け、工夫して野生動物を捕獲するようになり
逞しく成長していく姿が面白くも頼もしい。

同時に
そんな風に年月が経っていけば
かならずシロは先に死ぬのだと
そればかりが頭に浮かんできて観続けるのが辛かった。
(これは私の弱点)


実際、話しているのは43年後の一馬なわけだし
そんな事実が描かれないわけないと思ったので
途中で視聴を止めちゃおうかなと思ったくらい(笑)

せめてアッサリ終わらせてくれれば良いなあと思ってたのに
長々と切々と描くんだな、これが。

もう、まんまと泣かされたじゃないか!?


途中、猟師が登場したので
間違って撃たれて死んじゃうのかとヒヤヒヤしたけど
そうではなかったのだけが救いだったな。

3日程前から様子がおかしかったけれど
気付かないふりをしていた
…という気持ちがよく分かる。


高熱で苦しむ一馬のために
手ぬぐいを川の水で濡らしてきたり
獲物を捕まえてきたり
…という奇跡の様な行動を取った初期のシロと

固くなってしまったシロに一馬が3日付き添っていたところが
泣ける対比になっている。

その後、埋めに行った時もしばらく抱き締めていたり
埋めた後で引き換えし、掘り返してもう一度抱き締めたり
…もう号泣ですがな。


原作は未読だけれど、ネットで調べたところによると
実際には手ぬぐい云々ではなく耳を齧ったとのこと。
何とか目を覚まさせようと思ったのだろうね。

でも、手ぬぐいだって非現実的とまでは行かない。

我が家の愛犬も、祖母が風邪を引いて嘔吐していた時
ブルブル震えながら心配していたし
私が手を怪我した時は舐めてもくれたし
退院したばかりで寝込んでいた時は
じっと傍で番付きをしてくれていた。

愛猫は、祖母がお腹を撫でていた時
その手を鼻でどかして代わりにペロペロ舐めていたし
私が歯医者から帰って痛みで泣いていた時>子供の頃ね
頬を舐めてくれた。

思ってるよりずっと賢いし優しい。

だから、一馬とシロの束の間の生活は
ファンタジーの様でありリアルでもあると思う。



そして、その死の描写も
お涙頂戴なんかじゃない。
動物如きで…なんてことは、もっとない。
本当にこんな気持ちになるから。

ひじゅにも、かつて
飼っていた犬が死んだ時、その身体をずっと置いておきたいと思ったし
猫が死んで庭に埋めた後、何度掘り返したいと思ったかしれなかった
…そんなことを思い出しちゃってさ。

でも、ひじゅには卑屈なヤツだから
そんな頃に意地悪してきた動物嫌いのご近所さんに
新たに恨みが湧いてきたりもしてさ(笑)
これは悲しみから来る八つ当たり>実際の恨みもあるけど

ともかくも
喪失感のキツさというのは経験したよ。
文字通り、心が空っぽになる感覚。
呼吸も出来なくなる感覚。

一馬にとってシロは
家出前も唯一の友達だったし
家出後はまさに一心同体だったわけで
ひじゅにの小さな経験など及びもつかないくらいのものだったハズ。


でも、一馬は自分をその境遇に追い込んだ元家族を恨むこともせず
ただただ純粋に悲しみ
シロに感謝を述べた後
淡々と思い出の洞窟を後にして旅立っていく―


これは少年時代との決別とこれからの成長を示している。
まさしく物語として
王道というか定番というか
(ベタという意味ではなく)
しっかりと構成されている。


ここで第1話を終えず
何年か後の一馬の姿や
しかも、他の人との触れ合いが始まったところまで
進めてくれたのが、次回への引きというより
辛くなってしまったこころへの少しの救いになってくれたよ。


あ、それと勿論
彼の話を聞く刑事達の反応が適度にコミカルで
ドラマ全体に程よい明るさ軽さを加えていて良かった。



原作:加山一馬『洞窟オジさん 荒野の43年』
脚本:児島秀樹、吉田照幸
演出: 吉田照幸
出演:
加山一馬
(中年時代):リリー・フランキー
(青年時代):中村蒼
(少年時代):富田海人
宅間刑事:浅利陽介
桃園刑事:生瀬勝久





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