アジョシ - 2012.07.15 Sun
「隣の家のおじさんだ」
韓国映画というと
美男美女による甘いラブストーリーを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれませんが
実は容赦ないバイオレンス描写こそが真骨頂。
この『アジョシ』は美形ウォンビンを迎え、かつハードなアクションものにしたという点で
その両者の美味しいとこ取りをした作品と言えるかも?
まあ、この両者を軽やかに行き来しているイケメン俳優は多いのですけどね。
イ・ジョンボム監督は最初、
日本の北野武をイメージして、この物語を書き上げたのだそうです。
でも、いざ映画にしようとすると韓国には武の様な俳優がいないことに気付き
少し年齢を下げてソン・ガンホやソル・ギョングで行こうと考えたらしいですが
ウォンビンが是非ともやらせてほしいと自ら売り込んできたとかで
さらに設定を変えて、彼主演で作ることにしたのだそうです。
ガンちゃんやギョングッシでも、かなり面白いものが出来ただろうなと
ちょっぴり惜しい気もしないではないですが
でも、やっぱり、ウォンビンで大正解!と思います。
若いだけあってアクションが華麗。
美しい!
彼以外はイケメンが外国人殺し屋以外いない、という潔さも良いです(笑)
そして、彼以外で唯一の美形であるその殺し屋は、一目で彼の凄さを察知し
仕事を超え、彼と一騎打ちをすることだけを望んで動くのです。
この、そこはかとないホモ・ソーシャル感がまた良し(笑)
とはいえ、私は彼ではなくキム・セロンちゃん目当てで観たんです。
『冬の小鳥』での演技が本当に素晴らしかったから。
この手の映画というと『レオン』が有名ですが、不勉強の私は未見です。
でも、似た設定は結構ありますよね>『レオン』フォロワーかもしれませんが
で、個人的に、こーいう設定の子役って
孤独感とか影とかを背負っているけれど本人は強いふりをしているので
登場時は生意気さが前面に出ていて、ちょっと嫌な印象を受けたりして
それから段々事情が分かっていって感情移入できるようになる…
というイメージがあるんですけど
セロンちゃんは最初、暗がりの中からお喋りしながらスッと出てくるんですが
ただそれだけで、孤独感も影も強がっている様子も根は純粋な子だということも
そしてウォンビンを心から慕っている様子も、親しくできているのは彼だけとういうのも
つまりはソミという女の子を、その全身から漂わせているんです。
最初に画面に映ったところで、観客の心をすっかり掴んでしまうんです。
やっぱ、凄いよ。
まあ、『冬の小鳥』のイメージも加わっているから…とも言えるし
また、あれをこなせた彼女だから
今作の役なんてチョロいもんだっただろう…とも思えます(笑)
ウォンビンの初登場シーンは買い物をしているところで
大きなソーセージを手に取って吟味して、店のオバサンに怒られる姿でした。
どれも同じ様なソーセージをいちいち持ち上げて選んでいるところから
「そんなにソーセージが好きなんかい?」と言いたくなるんですけど(笑)
後のシーンで、ソミが店に訪ねて来た時、
窓口から見える様にワザとソーセージを動かして
「あ、この子のために買ったのか」と分かるところが微笑ましいです。
今迄この2人は何度もこの様に一緒に食事したりして同じ時を過ごしてきたんだな
ソミは彼を慕い、彼もまたソミを可愛く思っているんだな…というのが
一瞬にして伝わってきます。
食べ物の扱い方によって、その人物の性質や立ち位置が分かる、というのは
いわゆるフード理論として知られているものですが
私はまだ詳しくはないので、それにどの様に当てはまるのか断定はできないのだけれど
印象的なシーンが2つありました。
一つは上記のソーセージで
もう一つは悪役のマンソク兄弟がデリバリーのお寿司を食べるシーンです。
ソミの母親の愛人を無残に殺した後、部下達が死体を片付けている傍らで
2人はお寿司を広げます。
その際、兄のマンソクがお寿司を一個、さり気に弟の器に入れてやるんです。
で、弟は当たり前の様にそれを食べます。
ネタは何なのかよく見えなかったけれど、弟の好物で
兄もそれが好きなのか逆に苦手なのか分からないけど弟が好きだってことは知っていて
そうやっていつも弟にやっていたのだろうな…
悪人なんだけど、兄弟の間は愛情で結ばれているんだな…と伝わってきて
彼らのキャラが立体的に描かれていたと思います。
後はとにかくアクションが面白いです。
色んな武器や色んな武術が取り入れられていて
相手の手を噛む等、手段を択ばないところも実戦らしさが見えて
細かい演出が良いです。
贅沢を言えば
テシクが髪を切るシーンはとてもカッコイイんですけど
どうせなら髪だけでなく服装もあそこで一新して変身ぶりをもっと強調させても良かったかな…
いや、それこそ贅沢だな(笑)
ケースに入った目玉を見せられた時、テシクが感情を露わにするんですけど
ちょっと早過ぎたかな…
でも、あそこは盛り上がるところだからな。
ラストでソミを抱きしめるところは、ちょっと情緒的過ぎたかな…
まあ、泣かせのシーンだからな。
という程度でしょうか(笑)
ソミの万引きを見て見ぬふりをしてくれた雑貨屋のオジサンも良かったです。
犯罪組織の一員の老婆のふてぶてしさと面白い対比。
(しゃあしゃあとカップ麺を食べてる老婆の表情が素晴らしかったね)
で、ラストで、
そのオジサンの店でソミにバッグを買ってやるところに繋がるのが良いです。
これから一人で生きていかなければならないソミだけど
ああいうオジサンがいると思うと、少し希望が伺えるし。
で、“オジサン”繋がりだし>ウォンビンとは全然違うけど(笑)
あ、そうそう、それから
ウォンビンは最初、顔が隠れるほどのボサボサ長髪なんですが
ムサいどころか甘い雰囲気さえ漂わせています。
髪を切ると精悍になります。
そして回想シーンでの少し昔の姿は
現在よりも少しふっくらして幾らか子供っぽさを残しています。
ここのとこ、さすが!と感心しました(^^)
『おじさん/The Man from Nowhere /Thin Man』 2010年/韓国
監督/脚本:イ・ジョンボム
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆

やっくんち
韓国映画というと
美男美女による甘いラブストーリーを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれませんが
実は容赦ないバイオレンス描写こそが真骨頂。
この『アジョシ』は美形ウォンビンを迎え、かつハードなアクションものにしたという点で
その両者の美味しいとこ取りをした作品と言えるかも?
まあ、この両者を軽やかに行き来しているイケメン俳優は多いのですけどね。
イ・ジョンボム監督は最初、
日本の北野武をイメージして、この物語を書き上げたのだそうです。
でも、いざ映画にしようとすると韓国には武の様な俳優がいないことに気付き
少し年齢を下げてソン・ガンホやソル・ギョングで行こうと考えたらしいですが
ウォンビンが是非ともやらせてほしいと自ら売り込んできたとかで
さらに設定を変えて、彼主演で作ることにしたのだそうです。
ガンちゃんやギョングッシでも、かなり面白いものが出来ただろうなと
ちょっぴり惜しい気もしないではないですが
でも、やっぱり、ウォンビンで大正解!と思います。
若いだけあってアクションが華麗。
美しい!
彼以外はイケメンが外国人殺し屋以外いない、という潔さも良いです(笑)
そして、彼以外で唯一の美形であるその殺し屋は、一目で彼の凄さを察知し
仕事を超え、彼と一騎打ちをすることだけを望んで動くのです。
この、そこはかとないホモ・ソーシャル感がまた良し(笑)
とはいえ、私は彼ではなくキム・セロンちゃん目当てで観たんです。
『冬の小鳥』での演技が本当に素晴らしかったから。
この手の映画というと『レオン』が有名ですが、不勉強の私は未見です。
でも、似た設定は結構ありますよね>『レオン』フォロワーかもしれませんが
で、個人的に、こーいう設定の子役って
孤独感とか影とかを背負っているけれど本人は強いふりをしているので
登場時は生意気さが前面に出ていて、ちょっと嫌な印象を受けたりして
それから段々事情が分かっていって感情移入できるようになる…
というイメージがあるんですけど
セロンちゃんは最初、暗がりの中からお喋りしながらスッと出てくるんですが
ただそれだけで、孤独感も影も強がっている様子も根は純粋な子だということも
そしてウォンビンを心から慕っている様子も、親しくできているのは彼だけとういうのも
つまりはソミという女の子を、その全身から漂わせているんです。
最初に画面に映ったところで、観客の心をすっかり掴んでしまうんです。
やっぱ、凄いよ。
まあ、『冬の小鳥』のイメージも加わっているから…とも言えるし
また、あれをこなせた彼女だから
今作の役なんてチョロいもんだっただろう…とも思えます(笑)
ウォンビンの初登場シーンは買い物をしているところで
大きなソーセージを手に取って吟味して、店のオバサンに怒られる姿でした。
どれも同じ様なソーセージをいちいち持ち上げて選んでいるところから
「そんなにソーセージが好きなんかい?」と言いたくなるんですけど(笑)
後のシーンで、ソミが店に訪ねて来た時、
窓口から見える様にワザとソーセージを動かして
「あ、この子のために買ったのか」と分かるところが微笑ましいです。
今迄この2人は何度もこの様に一緒に食事したりして同じ時を過ごしてきたんだな
ソミは彼を慕い、彼もまたソミを可愛く思っているんだな…というのが
一瞬にして伝わってきます。
食べ物の扱い方によって、その人物の性質や立ち位置が分かる、というのは
いわゆるフード理論として知られているものですが
私はまだ詳しくはないので、それにどの様に当てはまるのか断定はできないのだけれど
印象的なシーンが2つありました。
一つは上記のソーセージで
もう一つは悪役のマンソク兄弟がデリバリーのお寿司を食べるシーンです。
ソミの母親の愛人を無残に殺した後、部下達が死体を片付けている傍らで
2人はお寿司を広げます。
その際、兄のマンソクがお寿司を一個、さり気に弟の器に入れてやるんです。
で、弟は当たり前の様にそれを食べます。
ネタは何なのかよく見えなかったけれど、弟の好物で
兄もそれが好きなのか逆に苦手なのか分からないけど弟が好きだってことは知っていて
そうやっていつも弟にやっていたのだろうな…
悪人なんだけど、兄弟の間は愛情で結ばれているんだな…と伝わってきて
彼らのキャラが立体的に描かれていたと思います。
後はとにかくアクションが面白いです。
色んな武器や色んな武術が取り入れられていて
相手の手を噛む等、手段を択ばないところも実戦らしさが見えて
細かい演出が良いです。
贅沢を言えば
テシクが髪を切るシーンはとてもカッコイイんですけど
どうせなら髪だけでなく服装もあそこで一新して変身ぶりをもっと強調させても良かったかな…
いや、それこそ贅沢だな(笑)
ケースに入った目玉を見せられた時、テシクが感情を露わにするんですけど
ちょっと早過ぎたかな…
でも、あそこは盛り上がるところだからな。
ラストでソミを抱きしめるところは、ちょっと情緒的過ぎたかな…
まあ、泣かせのシーンだからな。
という程度でしょうか(笑)
ソミの万引きを見て見ぬふりをしてくれた雑貨屋のオジサンも良かったです。
犯罪組織の一員の老婆のふてぶてしさと面白い対比。
(しゃあしゃあとカップ麺を食べてる老婆の表情が素晴らしかったね)
で、ラストで、
そのオジサンの店でソミにバッグを買ってやるところに繋がるのが良いです。
これから一人で生きていかなければならないソミだけど
ああいうオジサンがいると思うと、少し希望が伺えるし。
で、“オジサン”繋がりだし>ウォンビンとは全然違うけど(笑)
あ、そうそう、それから
ウォンビンは最初、顔が隠れるほどのボサボサ長髪なんですが
ムサいどころか甘い雰囲気さえ漂わせています。
髪を切ると精悍になります。
そして回想シーンでの少し昔の姿は
現在よりも少しふっくらして幾らか子供っぽさを残しています。
ここのとこ、さすが!と感心しました(^^)
『おじさん/The Man from Nowhere /Thin Man』 2010年/韓国
監督/脚本:イ・ジョンボム
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