モンガに散る - 2012.01.06 Fri
指は5本揃って拳になる―
1980年代
「船」という名を持つ、台北の繁華街モンガを舞台に
高校生5人組が黒社会に入り
友情も自分自身も壊れていく…という物語。
韓国映画『チング』を思い出させる映画です。
『チング』はノスタルジックで悲痛な印象が残っています。
もう随分前に観たきりなので、今ならまた違う見方になるかもしれませんが。
この『モンガに散る』は、もっと明るくて
いわゆる“爽やか青春物”という感じがします。
まあ実際、前半はちょっとコミカルなタッチで描かれています。
彼らが大勢の若者達と大乱闘するシーンなど、何となし楽しそうですらあるんです。
5人が笑い合っているシーなんて、
それが大人のヤクザ達との食事の時であれ
5人だけで他愛ないジョークを交わしているだけの時であれ
もう本当に楽しそうなんです。
彼らはただ、お互いが好きで、一緒にいるのが楽しくて、
ただずっと、そうしていたかっただけ…なのだと思います。
主人公@モスキートが母一人子一人で、
転校してきたばかりだし、それまでずっとイジメられっ子だった…という設定は
5人の絆の強さを象徴していると思います。
初めての友達で大切な大切な親友で兄弟の様でもある…という。
兄弟つまり“家族”を見出していたという意味で
ゲタ親分は父親ということになるのですが
実際、メンバーの一人@ドラゴンの父親であるし
その堂々とした頼り甲斐のある様子に理想の父親像を見ていたのだと
容易に想像はつく…ハズなのですが
鈍い私は、すぐに分かりませんでした(^^;)
鶏のモモ焼きを一緒に食べるシーンでやっと気づきました。
いくら何でも遅過ぎ?
自分の感覚を棚に上げると、この点は少ばかり描写不足だという気がしました>ぉ
とはいえ、
モスキートの人生を変えるきっかけとして鶏のモモ焼きが二回も出てきたのには
何だか感心してしまいました。
で、前半と雰囲気がガラリと変わって、悲劇が訪れるのですが
ゲタ親分が殺され、メンバーの一人で実質的にリーダー格だったモンクの裏切りが判明し
モスキートの“家族”が崩壊していきます。
大陸からやって来た極道が彼の実父だったという設定は
少しばかり取って付けた様な気がしないでもなかったのだけれど
“家族”という観点から見ると、成程!と感心するのでした。
そこには台湾の歴史も関わってきます。
1987年―
戒厳令が解除された台湾に
大陸からの極道が進出してきて旧勢力を駆逐していった年。
モスキート達はまさにこの流れに巻き込まれていったわけです。
彼らの悲劇は台湾という国の悲劇でもあったわけですよね。
モンクとドラゴンの、ちょっとBLチックな(?)関係性の方が
目立つしドラマチックだし受ける要素だと思います。
だからラストでモンクにとどめを刺すのがドラゴンというのは仕方ないんだろうなあ…
モスキートでも良かった気はするのだけれど、
でも、モスキートにとっては救いになったのかもしれません。
モスキートは両手を広げ、モンクの中に残っている友情への信頼感を見せ
それに応えたモンクを裏切った形になったわけで
それなのに、お互いが友情を信じて笑顔で死んでいく…というのが
感動どころである反面、「それってどーよ?」って気持ちも湧いたので(^^;)
それとも、お互いの立場を理解し合い、
結果的には殺し合うことになってしまったけれど
友情は抱いたままなのだと純粋に信じることができたってことなのかな。
ここがツッコミどころと思ってしまう私は人間への不信感が強いってことかも(^^;)
ともあれ、モンク役イーサン・ルアンの存在感というかカリスマ性が素晴らしいです。
ルックス的にはモスキートの方が好みに近いんだけど>個人的好み
でも、高校生の設定だと分かった時は、さすがにビックリしました(笑)
『艋舺/Monga』 2010年/台湾
監督:ニウ・チェンザー
脚本:ニウ・チェンザー、ツォン・リーティン
出演:イーサン・ルアン(モンク/和尚)、マーク・チャオ(モスキート/蚊子)
リディアン・ヴォーン(ドラゴン/志龍)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆

やっくんち
1980年代
「船」という名を持つ、台北の繁華街モンガを舞台に
高校生5人組が黒社会に入り
友情も自分自身も壊れていく…という物語。
韓国映画『チング』を思い出させる映画です。
『チング』はノスタルジックで悲痛な印象が残っています。
もう随分前に観たきりなので、今ならまた違う見方になるかもしれませんが。
この『モンガに散る』は、もっと明るくて
いわゆる“爽やか青春物”という感じがします。
まあ実際、前半はちょっとコミカルなタッチで描かれています。
彼らが大勢の若者達と大乱闘するシーンなど、何となし楽しそうですらあるんです。
5人が笑い合っているシーなんて、
それが大人のヤクザ達との食事の時であれ
5人だけで他愛ないジョークを交わしているだけの時であれ
もう本当に楽しそうなんです。
彼らはただ、お互いが好きで、一緒にいるのが楽しくて、
ただずっと、そうしていたかっただけ…なのだと思います。
主人公@モスキートが母一人子一人で、
転校してきたばかりだし、それまでずっとイジメられっ子だった…という設定は
5人の絆の強さを象徴していると思います。
初めての友達で大切な大切な親友で兄弟の様でもある…という。
兄弟つまり“家族”を見出していたという意味で
ゲタ親分は父親ということになるのですが
実際、メンバーの一人@ドラゴンの父親であるし
その堂々とした頼り甲斐のある様子に理想の父親像を見ていたのだと
容易に想像はつく…ハズなのですが
鈍い私は、すぐに分かりませんでした(^^;)
鶏のモモ焼きを一緒に食べるシーンでやっと気づきました。
いくら何でも遅過ぎ?
自分の感覚を棚に上げると、この点は少ばかり描写不足だという気がしました>ぉ
とはいえ、
モスキートの人生を変えるきっかけとして鶏のモモ焼きが二回も出てきたのには
何だか感心してしまいました。
で、前半と雰囲気がガラリと変わって、悲劇が訪れるのですが
ゲタ親分が殺され、メンバーの一人で実質的にリーダー格だったモンクの裏切りが判明し
モスキートの“家族”が崩壊していきます。
大陸からやって来た極道が彼の実父だったという設定は
少しばかり取って付けた様な気がしないでもなかったのだけれど
“家族”という観点から見ると、成程!と感心するのでした。
そこには台湾の歴史も関わってきます。
1987年―
戒厳令が解除された台湾に
大陸からの極道が進出してきて旧勢力を駆逐していった年。
モスキート達はまさにこの流れに巻き込まれていったわけです。
彼らの悲劇は台湾という国の悲劇でもあったわけですよね。
モンクとドラゴンの、ちょっとBLチックな(?)関係性の方が
目立つしドラマチックだし受ける要素だと思います。
だからラストでモンクにとどめを刺すのがドラゴンというのは仕方ないんだろうなあ…
モスキートでも良かった気はするのだけれど、
でも、モスキートにとっては救いになったのかもしれません。
モスキートは両手を広げ、モンクの中に残っている友情への信頼感を見せ
それに応えたモンクを裏切った形になったわけで
それなのに、お互いが友情を信じて笑顔で死んでいく…というのが
感動どころである反面、「それってどーよ?」って気持ちも湧いたので(^^;)
それとも、お互いの立場を理解し合い、
結果的には殺し合うことになってしまったけれど
友情は抱いたままなのだと純粋に信じることができたってことなのかな。
ここがツッコミどころと思ってしまう私は人間への不信感が強いってことかも(^^;)
ともあれ、モンク役イーサン・ルアンの存在感というかカリスマ性が素晴らしいです。
ルックス的にはモスキートの方が好みに近いんだけど>個人的好み
でも、高校生の設定だと分かった時は、さすがにビックリしました(笑)
『艋舺/Monga』 2010年/台湾
監督:ニウ・チェンザー
脚本:ニウ・チェンザー、ツォン・リーティン
出演:イーサン・ルアン(モンク/和尚)、マーク・チャオ(モスキート/蚊子)
リディアン・ヴォーン(ドラゴン/志龍)
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