エンジェルウォーズ - 2011.12.31 Sat
現実・妄想・さらに妄想…と三段重ねの世界。
その多重構造ぶりが『インセプション』を
過酷な現実世界にあって妄想の世界に逃げ込む少女。
という繊細な設定が『パンズラビリンス』を
連想させる映画です。
私はそれに加えて『ローズ・イン・タイドランド』も思い出しました。
ザック・スナイダーが初めて手掛けるオリジナル作品です。
☆☆☆ネタバレあり☆☆☆
最初に言ってしまうとですね
一応の売りはアクション・シーンだと思うのですが
そこがネックになってもいる、ちょい微妙な作りです。
いや、映像は凄く良いと思います。
最初は萌えました(笑)
戦闘時のコスチュームは最高です。
ヒロインのベイビードールは
金髪のツインテール
セーラー服に日本刀
ミニスカに二―ハイソックス
…と、モロに日本の萌えアニメの萌え要素を取り入れていますし
他メンバーもそれぞれカッコイイです。
スナイダーのオタク魂炸裂って感じです。
でも、パターン化してしまっているので、だんだん飽きてきちゃうんです。
スミマセンスミマセン。
ストレートなアクション・ファンタジー映画にしても良いところを
少女の悲しい妄想物語にしたのと
“主人公”と守護天使というテーマを持たせたのが
私的にはツボでした。
上記したように飽きてしまって
所々で寝てしまったりもしたのだけど(笑)
それでも心に残った、どうしても捨てられない映画となりました。
ベイビードールが継父の策略により精神病院に強制入院させられるところから
物語は始まります。
妄想世界も、そこから始まります。
妄想の一層目では、精神病院は売春宿に姿を変えています。
客を惹きつけるために彼女達はショーを行うのですが
それは現実世界における、自分の経験を芝居にして自分自身が演じる
という精神病院の療法が影響しているのでしょう。
で、ベイビードールはダンスをするのですが、ダンスそのものは画面に出てきません。
その目的からいって非常にセクシーなダンスであることが想像できます。
で、そのダンスは二層目の、アクション・ファンタジーの世界へと彼女を導きます。
この構造からいって妄想の元となる現実は性的虐待なのだと理解できます。
そもそも最初のシーンで、
継父がネクタイを緩めたり
ベイビードールの服のボタンが弾け飛ぶところが強調されたりして
性的虐待を匂わせています。
継父が彼女を精神病院に入れる際、書類に「20歳」と記入するのも意味深です。
20歳過ぎている様に見えないし
アクション・シーンのコスチュームにしても、そもそも「萌え」対象としても
「少女」であることが重要だと思えるから。
性奴隷の状況から何とか逃げ出そうと少女達がもがくのが
華麗な戦いに身を投じる自分達の妄想…というのが悲しいです。
少女“達”と書いたけれど
スイートピー以外は実在していない気がしますし。
スイートピーの妹であるロケットが死んでしまうのは
ベイビードールの妹の象徴でしょうし。
スイートピー自身だって、姉であるベイビードール自身を勝手に重ねているだけで
妄想世界で(一層目でも二層目でも)友情で結ばれるスイートピーとは
全く別人とも思われます。
ベイビードールは“主人公”ではなかった―
という結末が面白いです。
最初に守護天使とは老人の姿をしている場合も少女の姿をしている場合もある
というナレーションが入るところでラストはある程度想像できるんですけどね。
「老人」も登場するし。
だからラストに至った時
ああ、そうか…と納得する部分と
そうだったのか…と少し驚く部分とがあって
ちょっと感動してしまいました。
『Sucker Punch』 2011年/アメリカ
監督:ザック・スナイダー
出演:エミリー・ブラウニング(ベイビードール)、アビー・コーニッシュ(スイートピー)
スコット・グレン(ワイズマン/賢者/バスの運転手)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆

やっくんち
その多重構造ぶりが『インセプション』を
過酷な現実世界にあって妄想の世界に逃げ込む少女。
という繊細な設定が『パンズラビリンス』を
連想させる映画です。
私はそれに加えて『ローズ・イン・タイドランド』も思い出しました。
ザック・スナイダーが初めて手掛けるオリジナル作品です。
☆☆☆ネタバレあり☆☆☆
最初に言ってしまうとですね
一応の売りはアクション・シーンだと思うのですが
そこがネックになってもいる、ちょい微妙な作りです。
いや、映像は凄く良いと思います。
最初は萌えました(笑)
戦闘時のコスチュームは最高です。
ヒロインのベイビードールは
金髪のツインテール
セーラー服に日本刀
ミニスカに二―ハイソックス
…と、モロに日本の萌えアニメの萌え要素を取り入れていますし
他メンバーもそれぞれカッコイイです。
スナイダーのオタク魂炸裂って感じです。
でも、パターン化してしまっているので、だんだん飽きてきちゃうんです。
スミマセンスミマセン。
ストレートなアクション・ファンタジー映画にしても良いところを
少女の悲しい妄想物語にしたのと
“主人公”と守護天使というテーマを持たせたのが
私的にはツボでした。
上記したように飽きてしまって
所々で寝てしまったりもしたのだけど(笑)
それでも心に残った、どうしても捨てられない映画となりました。
ベイビードールが継父の策略により精神病院に強制入院させられるところから
物語は始まります。
妄想世界も、そこから始まります。
妄想の一層目では、精神病院は売春宿に姿を変えています。
客を惹きつけるために彼女達はショーを行うのですが
それは現実世界における、自分の経験を芝居にして自分自身が演じる
という精神病院の療法が影響しているのでしょう。
で、ベイビードールはダンスをするのですが、ダンスそのものは画面に出てきません。
その目的からいって非常にセクシーなダンスであることが想像できます。
で、そのダンスは二層目の、アクション・ファンタジーの世界へと彼女を導きます。
この構造からいって妄想の元となる現実は性的虐待なのだと理解できます。
そもそも最初のシーンで、
継父がネクタイを緩めたり
ベイビードールの服のボタンが弾け飛ぶところが強調されたりして
性的虐待を匂わせています。
継父が彼女を精神病院に入れる際、書類に「20歳」と記入するのも意味深です。
20歳過ぎている様に見えないし
アクション・シーンのコスチュームにしても、そもそも「萌え」対象としても
「少女」であることが重要だと思えるから。
性奴隷の状況から何とか逃げ出そうと少女達がもがくのが
華麗な戦いに身を投じる自分達の妄想…というのが悲しいです。
少女“達”と書いたけれど
スイートピー以外は実在していない気がしますし。
スイートピーの妹であるロケットが死んでしまうのは
ベイビードールの妹の象徴でしょうし。
スイートピー自身だって、姉であるベイビードール自身を勝手に重ねているだけで
妄想世界で(一層目でも二層目でも)友情で結ばれるスイートピーとは
全く別人とも思われます。
ベイビードールは“主人公”ではなかった―
という結末が面白いです。
最初に守護天使とは老人の姿をしている場合も少女の姿をしている場合もある
というナレーションが入るところでラストはある程度想像できるんですけどね。
「老人」も登場するし。
だからラストに至った時
ああ、そうか…と納得する部分と
そうだったのか…と少し驚く部分とがあって
ちょっと感動してしまいました。
『Sucker Punch』 2011年/アメリカ
監督:ザック・スナイダー
出演:エミリー・ブラウニング(ベイビードール)、アビー・コーニッシュ(スイートピー)
スコット・グレン(ワイズマン/賢者/バスの運転手)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

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やっくんち
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