『イテウォン殺人事件』 - 2011.02.06 Sun
「I’ll show you something cool.」
いいもの見せてやるぜ
これは1997年に韓国の梨泰院(イテウォン)で起きた実際の事件を元にしている―
あるハンバーガー店のトイレで一人の大学生(当時23歳)が殺害された。
2人の韓国系アメリカ人(当時18歳)が容疑者として逮捕されたが、
一方は一審で無期懲役の刑を宣告されたが、最高裁で一転して無罪に…
一方は凶器所持etc.の罪で1年~1年半の懲役を宣告されるも1年経たずに特赦…
現在は両者ともアメリカに戻り、自由に暮らしている。
映画は全くこの通りに作られている。
勿論、名前は変えてあるし、細かいやり取りはフィクションだと思うけれど。
被害者は貧しい家庭の末っ子。
苦労して大学に通い、人生これからという時に突然命を奪われてしまった。
偶然寄った店のトイレで排尿中にナイフでメッタ刺しにされて。
2人の容疑者は裕福な家庭の息子で酒やドラッグや喧嘩は日常茶飯事。
チンピラを気取っている青二才。
その日も友人達にナイフの切れ味を自慢していた。
凶器となったジャックナイフの。
そして犯行動機は、遊び感覚。
容疑者の片割れ@一年半の懲役を受けるピアスンという米韓ハーフの少年を演じるのは
今、日本でも大人気のチャン・グンソク。
私はまだブレイクのきっかけとなったドラマ『美男ですね』は未見で(^^;)
映画は『赤ちゃんと僕』に続いて二本目になる。
その2本についてザックリ感想を言うと
「あと一息で面白くなったのになあ…惜しい」
だった>スミマセンスミマセン
実際の事件を映画化したものというと『殺人の追憶』や『チェイサー』を思い出すが
この2本は、その事件を世に訴えるという意味でも勿論だけど、
娯楽作としても傑作だと思う。
この『イテウォン殺人事件』は、前者としては意味があるけれど
後者としてはイマイチだったかなあ…
まあ、法廷でのパク検事とキム弁護士のやり取りは面白かったし
もう一人の容疑者アレックスを演じるシン・スンファンは好演だと思った。
チャン・グンソクはカッコ良さでは文句はないんだけど…う~ん…
アレックスは最初はただの(寧ろちょっと愚鈍?)ボンボンにしか見えなかったけど
父親の前で一瞬、別人の様な顔になる瞬間がある。
ピアスンは最初からワルっぽく謎めいた様子で登場するも、
法廷では何となく頼りないというか、ナイーブな雰囲気を醸し出す。
一審判決が下った時点では複雑な表情を浮かべていたし、
ラストでは二種類の微笑を浮かべてみせる。
つまりピアスン役の方が表現力が豊かでなければならないし、
彼のそうした変化が映画そのものを左右する重さを持っていると思われる。
そういう意味で…ちょっと演技にメリハリが足りなかったかなあ…
生意気言ってスミマセンスミマセン!
とはいえ、やるせなさは残った。
それで十分だと言えるかもしれない。
ラスト、現場となったハンバーガー店をパク検事が訪れると
トイレは塞がれ、存在そのものが“なかったこと”になっていた。
事件の扱いと同じ。
その壁の向こうには
闇に閉ざされたトイレがあり
殺された大学生は今も血まみれのまま惨めに蹲っている…
そんな幻想がパク検事の目にも
遺族の目にも
この映画を観た私達の目にも
残像としていつまでも残る。
2009年/韓国
監督:ホン・ギソン
脚本:イ・ソン
出演:チャン・グンソク(ピアスン)、チョン・ジニョン(パク検事)
シン・スンファン(アレックス)、オ・グァンノク(キム弁護士)
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