バルフィ!人生に唄えば - 2016.01.10 Sun
耳が聞こえず口もきけない青年バルフィと
彼と裕福&イケメン婚約者の間で揺れる、お嬢様シュルティと
自閉症で親に疎んじられている少女ジルミル
…の物語。
物語においてハンディキャップを持つ人=純粋無垢
という図式は多いけれど、これは違う。
確かにバルフィもジルミルも純粋ではあるけれど
バルフィは父親の手術料のためとはいえ誘拐を企てるし
ジルミルはシュルティに嫉妬して家出するし…
普通に弱さを持ち合わせている。
つまり、とても人間的。
でも、明るくて前向きでユーモアを忘れなくて
自分の心に忠実で一生懸命で…
だから、あの純粋さは
持って生まれた特別なものとか
純粋培養されたものとかではなくて
誰もが持ちうるものなのだと思う。
とはいえ勿論
持つのはとても難しい。
とてもとても難しい。
まずはコミカルなアクションシーンで始まる。
自転車で路地を逃げる様子は
ジャッキー・チェンを思い出させる>『プロジェクトA』あたり
ジャッキーはあの作品で
バスター・キートンやチャールズ・チャップリンへのオマージュを捧げた
と聞いた。
その後続くバルフィの軽やかな動きは
まさにサイレント映画のそれだと気付いた。
耳と口が不自由なバルフィが
サイレント映画そのままに動きや表情で心を表現する。
言葉を超えて言葉以上に豊かに。
これは凄く楽しいし非常に感動的。
ハンディがハンディではなくなる。
寧ろ彼の様に心を表せない私達の方にハンディがある。
ハンディに囚われている。
目に見えるものに惑わされてしまったシュルティは
そんな私達を代表していると思う。
まあ、彼女は後に目覚めるんだけどね。
彼女の母親は
言葉に表さなければ愛も枯れる
…という様な意味の主張をしていたけど
言葉がどんなに多くても
愛がなければ何も伝わってこない
…ということをシュルティは身をもって知ることとなったし
言葉なんてなくても
愛が溢れていれば心は伝わる
…と、バルフィの生き方が証明している。
これは深いテーマだと思うし
それを口のきけないバルフィと
上手く言葉を出せないジルミルの姿で
明るく楽しく感動的に描いている。
最終的に夫を捨て安楽な生活を捨てて
自分の心に忠実に生きることを決意したシュルティが
ハッピーエンドにはならず
ずっと憧れていた祖父母の様な生き方を果たすのはジルミルの方で
自分はそれを第三者として見つめることしかできない
…という結末が切なかった。
それでも彼女は自立した女性として生きてきたので
それもまた幸福だったと思うし
より良い相手と結婚するのが女性の最高の人生…みたいな
古い考え方へのアンチテーゼになっていて興味深い。
映像も音楽もとても美しかった。
所々で姿を現す演奏家達がファンタジー世界を形作っていた。
バルフィだけでなく
全体的に言葉に頼らない表現が多用されていて素晴らしかった。
『Barfee』2012年/インド
監督/原作/脚本:アヌラーグ・バス
音楽:プリータム・チャクラボルティー
出演:
ランビール・カプール(バルフィ )
プリヤンカー・チョプラ(ジルミル )
イリアナ・デクルーズ(シュルティ)
☆楽天もう…何がなんだか日記もヨロシクです☆

ブルーレイ

DVD

ASIAN POPS MAGAZINE 111号

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自閉症で親に疎んじられている少女ジルミル
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という図式は多いけれど、これは違う。
確かにバルフィもジルミルも純粋ではあるけれど
バルフィは父親の手術料のためとはいえ誘拐を企てるし
ジルミルはシュルティに嫉妬して家出するし…
普通に弱さを持ち合わせている。
つまり、とても人間的。
でも、明るくて前向きでユーモアを忘れなくて
自分の心に忠実で一生懸命で…
だから、あの純粋さは
持って生まれた特別なものとか
純粋培養されたものとかではなくて
誰もが持ちうるものなのだと思う。
とはいえ勿論
持つのはとても難しい。
とてもとても難しい。
まずはコミカルなアクションシーンで始まる。
自転車で路地を逃げる様子は
ジャッキー・チェンを思い出させる>『プロジェクトA』あたり
ジャッキーはあの作品で
バスター・キートンやチャールズ・チャップリンへのオマージュを捧げた
と聞いた。
その後続くバルフィの軽やかな動きは
まさにサイレント映画のそれだと気付いた。
耳と口が不自由なバルフィが
サイレント映画そのままに動きや表情で心を表現する。
言葉を超えて言葉以上に豊かに。
これは凄く楽しいし非常に感動的。
ハンディがハンディではなくなる。
寧ろ彼の様に心を表せない私達の方にハンディがある。
ハンディに囚われている。
目に見えるものに惑わされてしまったシュルティは
そんな私達を代表していると思う。
まあ、彼女は後に目覚めるんだけどね。
彼女の母親は
言葉に表さなければ愛も枯れる
…という様な意味の主張をしていたけど
言葉がどんなに多くても
愛がなければ何も伝わってこない
…ということをシュルティは身をもって知ることとなったし
言葉なんてなくても
愛が溢れていれば心は伝わる
…と、バルフィの生き方が証明している。
これは深いテーマだと思うし
それを口のきけないバルフィと
上手く言葉を出せないジルミルの姿で
明るく楽しく感動的に描いている。
最終的に夫を捨て安楽な生活を捨てて
自分の心に忠実に生きることを決意したシュルティが
ハッピーエンドにはならず
ずっと憧れていた祖父母の様な生き方を果たすのはジルミルの方で
自分はそれを第三者として見つめることしかできない
…という結末が切なかった。
それでも彼女は自立した女性として生きてきたので
それもまた幸福だったと思うし
より良い相手と結婚するのが女性の最高の人生…みたいな
古い考え方へのアンチテーゼになっていて興味深い。
映像も音楽もとても美しかった。
所々で姿を現す演奏家達がファンタジー世界を形作っていた。
バルフィだけでなく
全体的に言葉に頼らない表現が多用されていて素晴らしかった。
『Barfee』2012年/インド
監督/原作/脚本:アヌラーグ・バス
音楽:プリータム・チャクラボルティー
出演:
ランビール・カプール(バルフィ )
プリヤンカー・チョプラ(ジルミル )
イリアナ・デクルーズ(シュルティ)
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