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2020-12

オリエント急行殺人事件 - 2020.11.14 Sat

​​​​​​​​​ポアロの​杖​が大活躍(笑)


​​「私は殺人を認めない」​byポアロ



ケネス・ブラナーが監督を務めると聞いた時は楽しみに感じ
ケネス・ブラナーがポアロ役を演じると聞いた時は不安になった。

だって、イメージ違うし(笑)

いざ観てみたら、割と素直に入り込めた。
やはり、イメージは違うのだけれど。


舞台となるオリエント急行に乗り込む人々の姿から始まるところを
このブラナー版は、その前の出来事から描き始めている。
事件を解決するポアロを、ちょっとコミカルに。

ここで、ポアロの抜群の推理力と
ちょっと変わった(ちょっとどころではない?)キャラクターが
強く印象付けられる。

列車に乗り込む際も、ポアロと他の乗客が(全員ではないにしろ)絡むので
ポアロと共に各乗客のキャラも少し浮き上がってくる。

まあ、前半は、コミカル過ぎて周囲から浮いている感がなきにしもあらずだけど
今作でのポアロに親しみを感じやすくなっているので良いと思う。


雪で立ち往生している列車の中…という限られた舞台で
ほぼ会話劇なので
悪くすると、閉鎖的な雰囲気になってしまいそうなところを
俯瞰からの構図にしたり、話す相手の顔を窓ガラスを通して映したり
列車の屋根の上をポアロが歩いたり列車の外で尋問をしたり
また、ちょっとしたアクションシーンも入れたりして
工夫しているな、と思う。


ポアロが真相を語るシーンでは、トンネルのアーチ型の屋根を利用して
トンネル内の闇と明るい雪景色とに画面を分けて
美しさと共に舞台劇を思わせる外連味みたいのも感じさせる。


ただ、ミステリーのドキドキ感はなかったし、全体に平坦ではあったかな…
単純に犯人を知っているから…かもしれないけど(笑)
でも、既に有名過ぎる作品なので、知っている人の方が多いと思われるので
ここはもうちょい何かが欲しかった気がする>求め過ぎ?


で、そのラストをどう描くかが、やはり一番興味があった。

原作を読んだ時は、犯人の設定がとても面白いと思った。
最初の映画(アルバート・フィニー主演)を観た時は、クラシカルな雰囲気を楽しんだ。
TVドラマ(デヴィッド・スーシェ主演)を観た時は、ラストの解釈に感動した。

このTVドラマのラストは素晴らしいと思った。
あの決断を下すまでと下した後のポアロの苦悩を強調していたから。


今作は、あそこまでハッキリとではないけれど
ポアロは​苦渋の決断​をしたのだな…というのは伝わって来る。

一度は命を投げ出そうともしたし。
決断した後のシーンでは、すぐに彼が姿を見せなかったので
少しばかりハラハラしたし。


ああ、それから
ラチェットは見るからに不快というか邪悪な雰囲気を醸し出している人なわけで
ポアロが彼の依頼を「顔が嫌い」という理由で断ることでそれを示しているけど
ラチェットを演じる人によっては「はあ?」と首をかしげてしまうところを
ジョニー・デップは上手く役作りをしていると思う。

一個のケーキをジョニーとポアロで食べるところは
フード理論が当て嵌まるんじゃないかと思うけど
キチンと説明できるほど理解してはいないので省略>ぉぃ


ポアロの​杖​だけど
冒頭の別の事件では面白い働きをし(笑)
列車内ではドアの鍵を壊すのに重宝し
そひて、ラストでは
列車を降りるまで、杖を突き突き歩いていたのが
次の事件に向かって行くことになり、杖を軽く振り回しながら歩く
…という風に、ポアロの心境を表す小道具になっている。



『Murder on the Orient Express』(2017年 /アメリカ)
監督:ケネス・ブラナー
脚本:マイケル・グリーン
原作:アガサ・クリスティ
出演:ケネス・ブラナー(ポアロ)ジョニー・デップ(ラチェット)
ミシェル・ファイファー(ハバード夫人)デイジー・リドリー(デブナム)
ジュディ・デンチ(公爵夫人)ペネロペ・クルス(エストラバドス)
ウィレム・デフォー(ハードマン)ジョシュ・ギャッド(マックイーン)
デレク・ジャコビ(ラチェットの執事)レスリー・オドム(アーバスノット)他



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原作

​​​​​​​​​
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マルタのやさしい刺繍 - 2016.02.26 Fri

スイスの小さな村で
夫を亡くしたばかりの80歳のマルタが
昔の夢だった手作り&刺繍入りランジェリーの店を開くまでのお話―



お年寄りがメインの物語だと
どうしても“死”が付きまとうものが多いと思われる。
どうもそれは苦手。

でも、今作はそうではないので良かった。

勿論、一般的な見方からして
お年寄りの方が“死”は身近なものだろうし
そうして人間という存在や人生の悲哀を描くのは“あり”

でもさ
80歳からでも90歳からでも
新たな夢に向かって進んでいくなんて
もっともっと素敵だよね?


まあ、マルタの場合
行く手を阻むのは年齢よりも
派手な下着なんてハシタナイ!
…という古い概念だというのが、ちょっと面白い。

しかもそう主張するのは
マルタの息子@牧師と
友人の息子@村の有力者。

マルタの息子は不倫中だし
友人の息子は村での権力を追い求めている。
夢というよりも
もっとドロドロした現実的な欲望に囚われている。


友人は息子に頼らず自分の足で歩こうと
自動車免許取得に挑戦するし
別の友人はマルタの店を宣伝&販売経路を広げるために
インターネットを学び始めるし
ついでに新しい恋もゲットするし
さらにもう一人の友人は
そもそもマルタに店を開くことを勧めてくれた人だし
モデルまで勤めてくれる。

このおばあちゃま達が集まって
アップルパイとキルシュ(?)片手にお喋りする姿が
とても可愛い


ちゅーことで
単純な勧善懲悪。
分かり易い構図。

だから最後は少しスカッとして終わる。

でも、本音を言うと
スカッと具合は足りない感じ。
そこがちょいと残念(^^;)


マルタの息子は改心するんだけど
お話的には2人の悪役の片方が善の側につく
というのはバランスが良いと思うし
主役@マルタの息子が悪のままで終わったら
後味悪いと思うし
そういう意味では正解なんだろうけど…

彼は牧師でありながら不倫という罪を犯していたわけだし
母親@マルタに対してもさんざん嫌がらせしてきたんだしなあ…

まあ、世の聖職者は私生活ドロドロなのが多いらしいけど
それを告発するとかいう感じじゃないものなあ。
不倫相手とハッピーエンドになっちゃうんだもの。
奥さん、結構良い人っぽかったのになあ。

それとも、皮肉として描いているのかな?

それに、マルタの友人の一人が亡くなるのだけど
心臓の発作とか何とかでアッサリ済ませちゃってたけど
その直前に彼女はマルタの息子に罵倒されたんだよ?
それが何故、問われないわけ?

しかも、不倫相手は彼女の娘なんだものなあ…


…と
私的には気になる部分もあったけれど(笑)
全体的には楽しく可愛い映画でした。





『Die Herbstzeitlosen』 2006年/スイス
監督/原案:ベティナ・オベルリ
脚本:ザビーネ・ボッホハンマー
撮影:ステファン・クティ
音楽:ルック・ツィメルマン、シュトゥーベムースィヒ・レヒシュタイナー
出演:
シュテファニー・グラーザー(マルタ)
ハイジ・マリア・グレスナー(リージ)
アンネマリー・デューリンガー(フリーダ)
モニカ・グブザー(ハンニ)





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プレシャス - 2013.11.24 Sun

人間には
誌的な人と散文的な人の二種類がいると
言っていたのは『赤毛のアン』。

前者にとって空想は呼吸と同じくらい自然であり重要な行為。
楽しみを増幅させ、苦しみを軽減するために。


前者は支持するけど
後者は辛いことだよね。

それだけ過酷な現実の中にいるということであり
それから抜け出す術がないということだから。

でも、そんな悲しい空想を駆使するしかない人々
特に幼い女の子達のことを描いた物語は少なくない。

『パンズラビリンス』も『ローズ・イン・タイドランド』も
そしてこの『プレシャス』も。


Precious(貴重)と名付けられながら
幼い時から虐待を受けてきたプレシャスは空想の世界に逃げ込む。
父親からレイプされている時
母親から嫉妬や憎しみをぶつけられている時
意識だけ現実から抜け出す。
喝采を浴びてステージに立つスターの自分と
自分を優しく迎えてくれるハンサムな恋人を夢見る。



舞台は1980年代後半。
『そしてエイズは蔓延した』(ランディ・シルツ)の頃。
その脅威は知られ始めたものの、まだ間違った捉え方が主流だった頃。

Life is real...(byフレディ・マーキュリー)


私は虐待とは程遠いノホホンとした少女時代を過ごしてきたけれど
空想の世界はやはり拠り所だった。
大人になれば卒業するものだと思っていたけれど
寧ろ年齢を重ねるにつれ、切実にその世界を必要としている。

だから、プレシャスの空想世界は
切なくて痛々しくて観ているのが辛かった。

現実に直接的な反応を示して泣きわめいてくれたりした方が
まだ耐えられたかもしれない。


でも、勿論それだけでは終わらない。

プレシャスは
あまりにも無知であったため、現実を変える力がなく
空想に逃げていただけで
教育が彼女を強く変え、空想の世界に決別する。


教育の大切さと楽しさを教えてくれた先生は
スタイルが良く輝くばかりの美人で
同じ黒人系なのにプレシャスとは正反対の人。

これはステロタイプというよりも、まさに象徴なのだろうな。


ただ、先生がレズというのはどうなのかなあ…
そうしたことへの偏見からも自由、ということを表しているのかもしれないけど
逆の意味にも取れそうで、そこが気にならないでもない>個人的感覚デス

原作者も映画の監督もゲイであることをカミングアウトしている人なので
そのせいで入れた要素なのかもね。


物語的には最後の方での
母親@モニークの長台詞が素晴らしかった。
アカデミー賞助演女優賞も納得の演技。

人間的には
何て酷い母親だ!
てのと同時に
何て哀れな女性なんだ…
と、やりきれない気持ちになった。


プレシャスは、そうした母親の陥った所から
教育の力で飛び立っていく。
知識が彼女に道を示す。


そこまでだったら、爽快な結末になっただろう。
そんな単純な結末を許してはくれない作品だった。

それでも
こんな暗くて重い内容なのに
後味は悪くない。

ところどころに滲むユーモアと
プレシャスが自分の足で立って行く様が実感できるからだろう。

Life is real...

歩いていかなくちゃ
そう思わせられた。



『Precious:Based on the Novel Push by Sapphire』 2009年/アメリカ
原作:サファイア『プッシュ』
監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ(クレアリース・プレシャス・ジョーンズ)
   モニーク(メアリー:母親)、ポーラ・パットン(ブルー・レイン先生)
   マライア・キャリー(ワイス夫人)、レニー・クラヴィッツ(ナース・ジョン)





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そしてエイズは…

ベティの小さな秘密 - 2013.07.28 Sun

森の緑に映える赤いコート
夜の道を走る赤い靴

精神病院を脱け出してきた青年イヴォンと
犬舎から救い出した犬のナッツと
彼らを守りたいと願った10歳の少女ベティのお話―



★☆★☆ネタバレあり☆★☆★



ベティ一家が住むのは精神病院の隣にある家。

一番の親友でもある姉は自分のことなど忘れた様に嬉しそうに寄宿舎へと移っていき
独りぼっちで眠るベティの耳に入ってくるのは口論する両親の声。

ちょくちょく外出していた母は、それでも帰ってくるのはベティのためだと
ベティに罪を負わすかの様な言い草で浮気を続け、ある日とうとう家を出て行き
ゲーム機を買って納屋をゲーム室に改装することが贖罪になるかの様な態度でいる。

病院長の父は忙しく、家庭においては妻の一件でイッパイで
ベティが可愛がっている殺処分間近の犬@ナッツを犬舎から引き取ることを拒否し
代わりに子犬を買ってやるとズレたことを言う。

顔に大きな痣がある故に誰も近寄ろうとしなかった転校生の男の子に
ただ一人話しかけ、秘密を教えようとさえしたのに>つまりそれだけ心を許したのに
実は皆と示し合わせてベティをからかうという酷い仕打ちをされる。

ベティの孤独を癒してくれた
ベティが心から守りたいと思った
ナッツとイヴォンと共にベティは旅に出る。

―という、お話


興味深いのは
現在、大人になっているベティが過去の経験として語っていること。

でも、現在のベティの姿は出てこないし、何をしているかも説明なし。
物語の最後に現在との繋がりも、詳細な事の顛末も描かれず
ただ冒頭で「とても昔」の事だと語られるだけ。


その冒頭は
ベティと姉が空き家を探検しようとしているシーン。

何もしていないのにドアがゆっくりと開き始め
怖くなった2人は一目散に逃げ帰る。
何と姉は妹を振り返りもせず、一人さっさと自転車に乗って走り去ってしまう。

「おいおい」と思ったけど…
無理矢理コジツケるなら
姉の方が確実に先に大人になっていき、自分の人生を歩んで行く。
ベティもまた誰かに頼るしかなかった子供時代に別れを告げ
自分の恐怖は自分で克服し、生きていかなければならない…という象徴?


ベティが怖がった主なものは
家と病院との境にあるドア
家の中の使われていない部屋のドア
お化け屋敷と噂される空き家のドア


病院のドアを抜けて病院側に入ったベティは
男性患者に追いかけられたりして実際に怖い思いをするのだけれど

そうした患者の一人で家政婦代わりに通ってきているローズは
誰よりもベティをよく見ていてくれたし

最初は仲良くしながらもどこかで怖がってもいたのに
色々な事に追いつめられたベティが抱きついたのはローズだった。

部屋のドアと空き家のドアは何故開いたのかさえ分からず仕舞いだったけど
あれはもしかして、ベティの心象風景だったのかも?


未知なる世界へと通じるドア。
でもそれは、まだ世間の狭い子供の目には未知なだけであって
中身を知れば何と言う事もないものかもしれないし
好きになれるものかもしれないし
嫌悪を催すものもあったとしても
以前の様に盲目的に恐がるのではなく対処の仕方を学べるかもしれない。

そうやって世界を受け入れていくことが
大人になるということなのだろう。


ベティは小さな納屋にイヴォンを匿っていたけれど
そこを出て森を抜けて、怖かったはずの空き家に行き
まさにそのドアから中へと入って行くのだ。


ラストの屋根のシーンも象徴的と言える。

イヴォンを助けようとしたのに
逆に助けられる。
死にそうな思いを潜り抜けて
上に上がる。

「エリザベスと呼んで」

小さな少女から大人の女性へと成長した瞬間。
だから、今現在のベティの姿が映されなかったのだと思う。


たださ…

「もう何もかも大丈夫だ」みたいな父親の言葉で終わったけど
何が大丈夫なんだよ!?
という疑問はちょっと残ったな。

ベティの一世一代の大冒険が
父や母や姉の問題を全てクリアしたとは思えないじゃん。

つーか

これもまた“象徴”?

もしかしたら現実は全く変化ないままかもしれない。
でも、それに対するベティの気持ちや対処の仕方が変わって
まさに大人の行動が出来る様になって
「大丈夫」となったってことなのかもしれないね。



『JE M’APPELLE ELISABETH/CALL ME ELISABETH』 2006年/フランス
監督:ジャン=ピエール・アメリス
脚本:ジャン=ピエール・アメリス、ギョーム・ローラン
出演:アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ(ベティ)
   ステファーヌ・フレス(父親)、マリア・デ・メディロス(母親)
   ヨランド・モロー(ローズ)、バンジャマン・ラモン(イヴォン)




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ミネハハ 秘密の森の少女たち - 2013.02.03 Sun

高い塀で囲まれた“学校”に赤ん坊の時から閉じ込められ
外界とは一切の接触もないまま成長する少女達。


★★★ネタバレあり★★★


取り合えず『エコール』を観てみよう!
という気持ちになった(笑)

原作は同じ。

といっても未読なので>いつものことだが(^^;)
どちらが原作に忠実なのか、どちらもアレンジが激しいのか分からないけど
聞くところによると『エコール』は
ミステリアスというか、真相を明らかにしないまま終わってしまうらしいのだが
こちらの『ミネハハ』はアカラサマというか“まんま”。

『エコール』はロリコンとの見方もある通り
登場してくる少女達は年長でも12歳までらしいのだけど
『ミネハハ』は中心となる少女達は、少女というより大人に近い。
まあ、せいぜい高校生くらい?

恐らくラストシーンのためだろう。
幼女だったら非常にマズイから(^^;)


つまり、真相はハッキリ描いている。

その真相に向かってまっしぐらに話は進んで行く。
その衝撃度を見せたいのだろうとは思うのだけど>『エコール』への答?
結構最初の方からバレバレなので
捻りがないな…と思ってしまう。

その真相の向こうにあるものを見たかったと思う。
つーか、細かいところは謎のまま。
謎のままの方が効果的な作品もあるけれど
今作の場合どっちかっちゅーと辻褄を放置したって感じ>言い過ぎ?


映像は美しい。

緑に囲まれ
ミネハハ(笑う水)と名付けられた滝が流れ
石像で飾られたクラシカルな建物の中で
白いドレスを纏った少女達。

なんだけど

少女達は…
あんまり綺麗とは思えなかっ…>スミマセンスミマセン

最終的に選ばれるヒダラより
彼女に恋愛感情を抱くイレーネの方が
満島ひかりにちょい似で可愛いと思ってしまった。

映画の中では
ヒダラ=美しい
イレーネ=美しくない
という図式。

ヒダラ=金髪&ぽっちゃり
イレーネ=黒髪&痩せ型
なので、まあ、そーいうことなのかもね(^^;)


物語は秘密に殺人に同性愛
そして、それらが集約された“真相”

もうちょいサスペンス要素を盛り上げるか
ホラーにしてしまうか
耽美主義に徹するか
してしまった方が良かった様な気が…

はっ

もしかしたら、それが『エコール』だったりして?

(作られたのは『エコール』の方が先だけどね)


同性愛に関しては
女ばっかりの環境なのだから仕方ない
年頃なんだから仕方ない

と思うけど

無垢な少女の世界で互いの魂に惹かれ合って
…みたいな描き方なら美しかったかもしれないのに

そういう精神性のものではなく
年頃ゆえに性欲が芽生えてきて
それの向かう場所が女性しかいないだけで
いわば疑似恋愛
…という風に受け取れて>私だけ?

何ちゅーか

うっとりする様な憧れの少女世界
というイメージとはちょい違った。

いやまあ、自分自身も女なので
少女って、そんなに美化出来る様なものではござんせん!
なんて実も蓋もない思いが消せないからかもしれないけどね(^^;)


本当は、それを消せるほどの“世界”を見せてほしかったんだな。
でも、そういう物語ではなかった。

無垢な少女達が未知の世界に触れる
…というものではなく

純粋培養された少女達でさえ性欲は抑えられないのなら
お金と暇を持て余している大人の男達は尚更だよな
…って感じで>ぉ

あの“真相”は衝撃ではなく必然っていうか
所詮そんなもんでしょ、人間なんて!
ってところ(悲


それにしても
幾ら男爵だからって
あそこまで手間暇かけて磨き上げて
結局あれだけの使い道?

しかも選ぶのは一人だけじゃ
残りはどうするのだろう?

映画やドラマとかで観た限りでは、
日本の芸者とか韓国のキーセンとかだって
随分と苦労して芸や教養を身に付けなければならないし
ちゃんと自覚して、それなりの誇りや目標を持って励んでいる様子。

こちらの少女達は何も知らされないままなわけで
教えられるのはバレエと礼儀作法程度で
頑張るのは外の世界に出たいから…って感じ。

そこが哀れ…と涙するところなのかもしれないけど
何だか“製造工場”という言葉が浮かんできてしまった(酷

でもって、その品質云々は
実は大して意味なし…みたいな。

結局、好みの問題みたいに見えちゃう上に
あれでオシマイなわけじゃん?>即物的


オープニングは血を流して踊るトウシューズのアップ。

爪先から血がだんだん滲んでくるところは、かなりハッとする。
美しくもあり怖くもあり、って感じで
映画全体の中で一番良い出来っていうか
これだけで良かったんじゃないの!?
と言えなくもない>いや、言い過ぎ

つーか

これ単体ならそうなんだけど
ラストでヒダラが自分の股間に手を触れ
その手が血に染まるシーンと重なってしまって
やっぱ、ナンダカナ…と思う。


じゃあ、駄作かっていうと
印象に残って消えないし
妙な魅力はあると思う。

まあ、取り合えず
『エコール』を観てみるつもり(笑)



『The Fine Art of Love:Mine Ha-Ha』 2005年/イタリア・イギリス・チェコ
原作:フランク・ヴェデキント
監督:ジョン・アーヴィン
出演:ジャクリーン・ビセット(校長)、ハナ・テイラー・ゴードン(イレーネ)
   メアリー・ナイ(ヒダラ)




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